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幹細胞から滲み出される、奇跡の雫。 幹細胞培養液は創傷治癒や臓器機能改善のメカニズムに関連しています。
脂肪由来幹細胞とは、成体の脂肪組織に存在する幹細胞のことです。2000年に、Dr.マーク・ヘドリックによって報告されました。脂肪吸引により比較的容易に採取可能であり、ドナーへの侵襲性が低く、また大量培養が行いやすいといった優れた特徴を備えています。今後の再生医療において、最も注目されている幹細胞の一つです。
脂肪由来幹細胞は以下の能力を有することが知られています。
脂肪由来幹細胞は、採取・培養した幹細胞を再び体内に投与する「幹細胞療法」によって、以前から多くの研究結果が報告されています。その治療効果は、投与幹細胞が組織に変化(分化)することによるのではなく、投与幹細胞そのものによってもたらされていると考えられています。
「多分化能を利用して、投与幹細胞が組織に置き換わる」ことよりも、むしろ、「組織再生に有利に働く生理活性物質を分泌し、体内に元々存在する細胞による細胞分裂や組織再生を支持する」という、投与幹細胞の分泌能の高さに注目が集まっています。
この生理活性物質は、投与する前の幹細胞の培養工程でも分泌されます。この分泌液を回収したものが幹細胞培養液なのです。
人は加齢と共に幹細胞の数が減少し、また、その機能も衰えてきてしまいます。若いころに比べ、傷が治りにくくなるのはこのためです。幹細胞培養液の投与による効果として、身体が本来備えている組織再生能力を活性化させることが期待されています。
幹細胞培養液は、体内の幹細胞が持つ遊走能を高め、受傷組織への集積を促すとされています。また、炎症抑制作用、細胞保護作用、血管新生作用により、細胞の線維化や壊死を抑制して、組織修復を促進するという生理学的効果が認められています。
これらの効果は、幹細胞培養液中にサイトカインや成長因子に代表される300種類以上のタンパク質や、mRNA、miRNA、タンパク質といった様々な分子の運搬体として機能するMSC-エクソソームなどが豊富に含まれていることに起因します。
幹細胞培養液に焦点を当てた実験や研究も多く実施されています。急性心筋梗塞や肝硬変、アルツハイマー型認知症を始めとした様々な疾患で、その効果が報告されています。
最近では、実際に幹細胞培養液を使用した点滴療法が多くのクリニックで実施されています。この療法は、あらかじめ培養液の製造・保存が可能であるため、急性期での使用ができます。また、細胞の移植を要さないため、新たなcell free療法として注目されています。
点滴静注の他にも、肺への吸入、鼻腔への噴霧、更には化粧品等として皮膚に塗布する手法など、多彩な投与経路も研究されています。幹細胞培養液の価値が科学的に認められ、難病で苦しむ患者を直す手段として実用化されることが期待されています。
以上のとおり、幹細胞培養液は疾患の治療や創傷治癒、日々のボディメンテナンス、エイジングケアに加え、予防医学の観点からも大いに注目されています。